森林破壊による生物大量絶滅の時代|日本人の65%が知らない生物多様性の重要性

日本人の65%が「聞いたことが無い」と回答する『生物多様性』という言葉。

皆さんはご存知でしょうか?

生物多様性とは、

「人類を含めすべての生物が種を存続するために、多様な生物が存在し相互の関係を保ちながら繁殖を続けていける状態」

を意味するものです。

つまり、一つの種が絶滅するとその種だけにとどまらず、相互関係にある種の絶滅の引き金になり、連鎖的に絶滅を引き起こすことも意味しています。

国際自然保護連合(IUCN)は調査の結果、「森林破壊」は生物が絶滅危惧種となる確率を大幅に上昇させていると発表しました。

森林喪失が現在の速度を保ったまま今後30年間進行すると、ボルネオ島、アマゾン中央部およびコンゴ盆地では、多くの生物が絶滅危惧種になると推定しています。

生物多様性を保つために森林保存は今後、非常に重要になってきます。

生物種の減少 ~大絶滅時代~

現在地球には多様な生物が生息しています。科学的には約175万種といわれていますが、実際には数千万種にもおよぶとも言われています。

これらの生物は、100%必ず他の生き物とのつながりの中で生存していて、このバランスがとても大事です。

しかしこれまでの地球の歴史の中で、多数の生物種が生存できなくなる「大量絶滅」の時代が何度かありました。

主なものとして、

  1. オルドビス紀末(約4億3500万年前)
  2. デボン紀末(約3億6000万年前)
  3. ペルム紀末(約2億5000万年前)
  4. 三畳紀末(約2億1200万年前)
  5. 白亜紀末(約6500万年前)

の5つが過去にあった大量絶滅時代として知られています。

そして現在・・・

実は、過去の5回の大量絶滅時代をはるかに上回る規模で、6度目の大量絶滅が進行中だと言われています。

地球上の約9割以上の生物種が絶滅したとされる「ペルム紀末」や、隕石の衝突が原因と言われる恐竜の大絶滅があった「白亜紀末」など、自然状態で起こった大絶滅はいずれも数万年から数十万年の時間がかかっており、その絶滅速度は年に0.001種程度だったと考えられています。

しかし今、人間活動によって引き起こされている種の絶滅速度は過去の大量絶滅とは比較にならないほどの速度で起きていることが問題視されています。

 

1600年~1900年には年に0.25種だった絶滅速度は、1975年以降、年に40000種という猛烈な速度で上昇し続けているのです。

100年前までは「羽が美しいから」「肉がおいしいから」「形が珍しいから」などの理由で乱獲された結果、種の絶滅に及ぶケースがほとんどでした。

しかし、今の絶滅は当時と比較にならないほどのスピードで進行しています。

その原因は「大規模な地球環境の破壊」です。

すべての動物において、森林は最も大切な生命維持装置です。

森林は、たくさんの生物のすみかになったり、水をたくわえたり、酸素を作り地球の肺になるという重要な役割を果たしています。

しかし、アフリカ、中南米、東南アジアの熱帯雨林は猛烈なスピードで減少しています。

この熱帯雨林の消滅による種の絶滅はとても深刻です。なぜなら、熱帯地方には地球上の全生物種の約80%がすんでいると言われているからです。

 

1990年~2000年の間の森林の減少は年間890万ha、2005年以降では危機意識の高まりから減少率は鈍化しているもののまだ年間730万haの森林が失われています。

これは日本の九州の面積の2倍にあたります。

生物多様性の保全と共に、地球温暖化の進行にも森林減少が大きく影響しています。

温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の総排出量のうち2割は森林減少が原因だと言われています。

 

日本の1世帯の生活から一年間に排出されるCO2の量は約6,500kgで森林(スギ)が約460本で吸収できる量です。

森林が減り続ければCO2の増加は進む一方です。

まとめ

私たちは今、地球の歴史上かつて例がないほどに急速に環境を変化させています。

それは私たち人類の生存を脅かす原因になり得ることを改めて強く認識する必要があります。

「地球のため」ではなく「自分たちのため」に森林保護などの環境問題を本気で考える時期に来ているのかも知れませんね。

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