地球温暖化|森林伐採との関係

今年のノーベル物理学賞は、米プリンストン大学上級研究員の真鍋淑郎さん(90)ら3人に贈られることが5日、発表されましたね。

地球の気候変動など、複雑な仕組みを理論づけたことが評価されました。

真鍋氏は1960年代から、大気と海洋の数値計算モデルを結合し、さまざまな要素が複雑に絡み合う気候変動の仕組みについて、コンピューター上でシミュレーションを可能にする「気候モデル」の手法を確立し、大気中の二酸化炭素の濃度上昇が、温暖化につながることを実証されました。

気候のような複雑な物理システムについて、長期的な動きを予測するのは極めて難しいため、温室効果ガスの増加が気候にどう影響するかを予測するコンピューターモデルは、地球温暖化を危機としてとらえるのにとても重要です。

真鍋さんは日本生まれで、現在は米ニュージャージー州にあるプリンストン大学の上級気象学者。大気中の二酸化炭素レベルの増加が、地球表面の気温上昇にどうつながるのかを示しました。1960年代には、気候に関する物理モデルの開発をリードしました。

そもそも地球温暖化とは?

地球温暖化とは、人間の活動が活発になるにつれて、大気中に含まれる二酸化炭素(CO₂)等「温室効果ガス」が大気中に放出され、地球全体の平均気温が上昇している現象のことです。
地球規模で気温が上昇すると、海水の膨張や氷河などの融解により海面が上昇し、また気候変動により異常気象が頻発する恐れがあり、自然生態系や生活環境、農業などへの影響が懸念されています。

温暖化と森林伐採の関係

世界では1分間に東京ドーム約2個分の森林が減少しているとされ、森林伐採と地球温暖化はよく関連して取り上げられる問題です。

森林伐採と地球温暖化には相関関係があります。

そもそも温暖化とは、地球を適切に保温する機能を果たしている温室効果ガスが必要以上に増加することで、熱が放出されず、平均気温が上昇したり、地球全体の気候が変化することを指します。

温室効果ガスの8割は二酸化炭素(CO2)であり、その最大の理由は、人間活動や産業活動のために石油や石炭など化石燃料を使用していることですが、二酸化炭素を吸収する森林が減少していることも影響しています。

樹木は光合成によって、二酸化炭素を吸収し、酸素と炭素を作り出しています。酸素を放出し、炭素は取り込み蓄えることで、生長していきます。

森林はこういった形で、温暖化の主な原因である二酸化炭素を減らし、大気に放たず固定するという役割を担っています。森林が破壊されると、二酸化炭素の吸収源が失われるため、さらに温暖化を加速させてしまうおそれがあります。

植林から40年経った杉の人工林は、1ha当たり約79tの炭素(二酸化炭素換算で約290t)を蓄え、1年間に約8.8tを吸収すると推定されています。

しかし、世界中の国々が排出している二酸化炭素排出量は自然が吸収できる許容量を、はるかに超えています。森林減少面積は増え続けており、温暖化はさらに深刻な状況になると危惧されています。

まとめ

森林は二酸化炭素を吸収し炭素として蓄えることで、地球温暖化防止に貢献してきましたが、大規模な森林伐採により、その効果は薄れつつあります。

二酸化炭素を減少させるには、まずエネルギーの消費量そのものを減らし(省エネルギーの推進)、同時に、エネルギー源を化石燃料から自然エネルギーなどに移行(再生可能エネルギーへ転換)していくことが必要です。

我々一人ひとりが身近で出来る小さな工夫を暮らしの中で行うことが地球温暖化の防止に役立つのではないでしょうか?