睡眠負債|眠りと健康の関連性

睡眠負債

睡眠負債とは・・・

日々の睡眠不足が借金のように積み重なり心身に悪影響を及ぼす恐れのある状態の事を言います。

わずかな睡眠不足も積み重なることにより「債務超過状態」となり生活や仕事の質の低下にとどまらず、うつ病、がん、認知症などを発症する可能性があることが医療の発達によりわかってきているのです。

様々な病気の原因になり得る「睡眠負債」。2017年の6月にNHKスペシャルで放映されると非常に大きな反響から瞬く間に広まり、2017年の流行語大賞のトップテン入りを果たすほど人々の関心を集めました。

それほどまでに大きな反響を呼んだ理由はなんだったのでしょうか?

睡眠不足と睡眠負債

「睡眠不足」という言葉は皆さん知っていますよね。「あなたは睡眠不足ですか?」という質問にはほとんどの人が「yes」か「no」で答えられると思います。

しかし、あなたは「睡眠負債」ですか? と聞かれて答えられますか?

おそらくほとんどの人が答えられないと思います。

自分が睡眠負債状態なのかどうかわかりませんよね・・

これこそが人々の関心を大きく集めたポイントだと思います。

つまり、「睡眠負債」は自覚がないのです。だから怖い。知らず知らずのうちに睡眠不足が重なり病気の原因になるのがわかっていても自覚がないのでどうすれば良いかわからない。

寝たつもりでも寝られていないかもしれない、病気の予備軍かもしれない、そういった不安感も持った人が多かったのではないでしょうか。

実際に私たち日本人の平均睡眠時間は世界で2番目に少なく、さらに忙しい生活やストレスの影響による質の悪い睡眠によって多くの人が睡眠負債状態にあり、病気予備軍であることが懸念されています。

良質な睡眠

睡眠に大切なのは単に睡眠時間が長ければ良いというわけではありません。

大切なのは「睡眠の質」です。

睡眠時間は長すぎても短すぎても身体に悪く、肥満度、死亡率と睡眠時間には密接な因果関係があることもわかってきています。

また、同じ睡眠時間でも質の良い睡眠と、質の悪い睡眠では疲労の回復度は大きく違います。

そうなってくると、たとえ短い時間であっても良質な睡眠を取れたら良いと思うに違いありません。

ではどうすれば睡眠の質をよくすることができるのでしょうか?

睡眠と体温

意外と知られていない事ですが、睡眠と体温は実に密接な関係にあります。

子育てをしたことがある方はご存知だと思いますが、

赤ちゃんが眠たくなると手足が熱くなりますよね?

あれは手足が熱くなることにより、体内の熱を放熱し体の深部体温(内部・中心の体温)を下げるという、いわば眠るための準備段階です。

深部体温が低いほど体は眠りやすい状態になると言われています。

深部体温は手足の体温より高いのが普通ですので、手足の体温が上がり、深部体温が下がるとその差は少なくなります。つまり、深部体温と手足の体温の差が少ないほど眠りの質が上がるということになります。

逆に、冷え性などで手足の体温が低くなりがちな人は放熱がスムーズにいかず深部体温を下げることが出来ず、睡眠の質が悪くなりがちです。

睡眠の質が悪くなった結果、自律神経の働きが乱れ、血行が悪くなり、ますます体が冷える・・という悪循環で睡眠の質は低下する一方になります。

睡眠の改善には「手足の冷え」の改善が重要だとわかってもらえたかと思います。

血行が悪くなり血流がうまく全身に行き届かないと末端まで熱が送られなくなり「手足の冷え」が起こります。こうなると表面から温めただけでは根本的な解決にはなりません。 血行が悪くなる原因は自律神経のバランスの乱れです。

自律神経とは

自律神経は、脳の指令なしに循環器や消化器、呼吸器などの働きをコントロールしている神経です。運動時や気持ちが高揚しているときに活発になる「交感神経」と、安静時やリラックス時に活発になる「副交感神経」の二つからなっています。

血行を良くするにはこの二つの自律神経のバランスが重要です。

交感神経は、特に昼間に活発になりやすく、交感神経が活発になると、筋肉や内臓が緊張して血管が収縮するため、体温が下がります。

副交感神経は、食後や入浴中、就寝中など夜間に活発になり、心身をリラックスさせて身体を修復させると言われています。副交感神経が優位に働くと、筋肉が柔軟になって血管が緩むため、体温が上がります

現代人の生活ではテレビやパソコン、スマホをみたり、夜でも煌々と電気のついた明るい部屋で生活していますので交感神経を刺激するものばかりです。だから交感神経ばかりが優位になり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。

これを解消するには意識的に副交感神経を優位にさせる習慣をとり自律神経のバランスを整えることが大切になってきます。

副交感神経を優位にさせるにはリラックスすることが一番です。

夜にゆっくりとお風呂につかったり、適切な室内環境で休息をとることで副交感神経が優位になり、忙しい昼の交感神経優位な状態とのバランスが取れ、血行の改善、睡眠の質の良化、そして良質な睡眠によるストレスの緩和、と、健康の好循環が生まれます。

まずはリラックスできる環境を作ることが睡眠負債の解消の近道かもしれませんね。

(私たちはリラックス効果のあるフィトンチッドを活用した睡眠支援に取り組んでいます)

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