免疫力 その2|感染症対策に重要な免疫力

感染症と免疫力

前回の記事の頃から数か月、当時(2020.1.31時点)14人だった国内の新型コロナウィルス(covid-19)感染者は、国内累計で25,000人を超え(2020.7.21現在)感染拡大がとどまる様子を見せていません。 皆さんも姿の見えないウィルスとの戦いにおいて、様々な感染予防策を取られていると思います。

 

感染予防と同時に、万が一新型コロナウィルス感染症を発症してしまっても出来る限り重症化しない為の知識も重要であると思います。

今回は、以前にも紹介した「免疫力」に関してもう一度掘り下げてみます。

 

免疫力とは

前回(免疫力を落とさないことが健康の秘訣|免疫力について解説します)のおさらいになりますが、免疫力とは人間が本来体内に持つ、病原菌やウィルス、異常細胞(ガン細胞等)を排除するための力です。

大きく分けると

獲得免疫=過去に接触したことのある異常細胞(ガン細胞やウィルス細胞)を攻撃する。ワクチン注射は獲得免疫にウィルスを覚えさせるために打つ。

自然免疫=全く新しい異常細胞(ガン細胞やウィルス細胞)を判断し攻撃する。

に分かれます。

新型ウィルスなどが流行するとワクチン開発が急がれますが、これは「獲得免疫」にウィルスを覚えさせる為のものであり、ワクチンが出来るまでは「自然免疫」頼りという事が言えます。

 

また、免疫細胞が正常に機能するためには、自律神経系の働きが保たれていることが大切です。自律神経には交感神経(活動時)と副交感神経(安静時)の2種類があり、これをバランスよく保つ=食事・運動・睡眠などの生活習慣のバランスを整えることが重要になります。

 

免疫システムは病原体から身を守るために非常に重要ですが、時に人体に悪影響を及ぼすこともあります。これは「免疫暴走」と呼ばれる状態です。

 

免疫暴走

新型コロナウィルス感染症にかかった人が重篤化する原因の一つとしてこの「免疫暴走」の可能性が指摘されています。

これは未知のウィルスなどが体内で異常増殖した時に、マクロファージなどの免疫細胞が、本来防御反応として放出するたんぱく質「サイトカイン」を大量放出する現象で、血栓症や脳梗塞、心筋梗塞などを併発するというものです。

いわば免疫システムの過剰反応で、別名「サイトカインストーム(サイトカインの嵐)」と呼ばれます。

感染症が重篤化する引き金になるのでサイトカインストームを起こさないようにすることも大変重要になってきます。

サイトカインストームは新型コロナウィルスの感染者全員におこるものではありません。

ただ、高齢者や基礎疾患者が重篤化しやすい現状から見ても、普段の免疫力が健全であることが重要だと言えます。

 

まとめ

免疫暴走を起こさない為にも、ウィルスから身を守る体の状態を保つ為にも、普段から免疫力を下げない生活を心掛けることが重要なのかもしれません。

皆さんも、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、と健康的な生活リズムを意識し、普段から健全な免疫力を保てるよう心掛けてほしいと思います。