肺は人間の体でとても重要な役割を果たす臓器です。
肺の役割について調べてみます。
肺の働き
肺は、呼吸で取り込んだ酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出する「ガス交換」の役割を担っています。口と鼻から入った空気は「気管」を通り肺の中に送り込まれます。
「気管」は肺の中に入ると「気管支」と呼ばれる細かく枝分かれしたものとなります。
その先には「肺胞」と呼ばれる空気の入った小さな袋が無数についており、ブドウの房のようになっています。「肺胞」一つの大きさはわずか10分の1mm程のとても小さなものですが、肺に3億~5億個もあると言われており、その表面積はテニスコート程にもなります。
この肺胞には無数の毛細血管が張り巡らされており、肺静脈から取り出した二酸化炭素と交換で呼吸で取り込んだ酸素を肺動脈に供給します。
酸素を含んだ血液は心臓のポンプ作用によって全身に運ばれます。
人間活動に必要不可欠な酸素を含んだ血液を作れるのが肺の重要な役目です。
更に肺の役目として、外気からの汚染を防御する「防御機能」があります。
外界に常に解放されている肺は、外部から取り込んだ空気をできる限りきれいな状態で肺胞に届ける必要があります。そのため、細菌やウィルス、異物などの有害な物質を外部に吐き出そうとする機能が働きます。その役目を果たすのが気管支の上皮細胞にある線毛です。
線毛は粘液に覆われており異物を察知すると粘液と一緒に喉の方へ押し出します。そうして粘液と異物が一緒に押し出されたものが痰です。
風邪をひいたときなどに痰が良く出るのは、気管支で増殖した病原菌やウィルスなどが線毛の防御機能により肺に入らないように押し出されるからです。
肺は「人間活動に必要な酸素を含んだ血液を作り出す」機能と「体の中に汚染された空気が入らないように防御する」機能があります。
肺の機能低下の原因
人間活動にとってとても重要な役割を果たしている肺ですが、病気などによってその機能が著しく低下することがあります。近年肺の病気として懸念されているのが、COPD(慢性閉塞性肺疾患)です。大気汚染やタバコなどにより慢性的に汚染された空気を吸うことで発症する病気で、COPD患者の90%以上は喫煙が原因と言われています。
有害物質が肺胞にまで及び炎症を起こすと、肺胞壁が破壊され古くなったゴム風船のように弾力が無くなり、空気をうまく吐き出せなくなります。
少し運動しただけで息切れしたり、呼吸困難に陥る、また、症状が悪化すると肺全体が膨らんで心臓を圧迫し、心疾患をおこす原因になったり、糖尿病など他の様々な病気を引き起こす原因にもなります。また、COPDの人はそうでない人に比べて約10倍肺がんを発症しやすいとも言われています。
まとめ
如何でしょうか?肺の重要性と肺の病気の怖さがお分かりいただけたかと思います。
呼吸で体の中に取り入れる空気の量は膨大です。(参考:空気のはなし)
健康のために、「食事」や「運動」に気をつかう方は多いと思いますが、「空気」にまで気をつかっている方は意外に少ないと思います。
今一度「肺」の重要性を理解して、普段体に取り込む「空気」に気を向けてみる事も、健康的な生活を送るためには重要なのでは無いでしょうか?