樹木の一生|地球に森が必要なわけ

樹木の一生

人間の寿命は生まれてから長くても100年程度、しかし樹木の場合は数百年から数千年もの間生きて、地中で解体されるまでも同じくらいの時間がかかります。今回は、一生の循環サイクルが人間よりもはるかに長い樹木の一生を考えてみます。

樹木の役割

以前にお話ししたように、樹木は地球上で生物が生きていくために必要な酸素を作り出す、非常に重要な役割をしています。

 

原生地球の大気はメタン、アンモニア、二酸化炭素などで構成されていて酸素はありませんでした。

海中に最初に誕生した生命「藍藻類(植物)」は、二酸化炭素と太陽光によって光合成を行い酸素を作り出しました。数十億年もの年月をかけ作り出された大量の酸素は、大気中にオゾン層を形成し太陽からの有害な紫外線が直接当たるのを防ぐ効果も果たしました。それによって、海中の生物が陸に上がることが可能になったのです。

 

陸に上がる事が可能になった植物は、地面に立つことができるように進化し、枝や葉っぱを目いっぱい広げた「樹木」という立体構造を作り、太陽の光をより受けやすく多くの光合成が可能になるよう進化したのです。

やがて、樹木は地球の陸地のあらゆるところに大繁殖し地球を生命にあふれた星へと変えました。

つまり、樹木の役割は、ただ

「二酸化炭素を酸素に変える」という単純な物でなく、

「地球に生命を作り上げたシステム」そのものだという事が出来ます。

 

また、地上に立った樹木にばかり目が行きがちですが、樹木は倒れ朽ちたあとも生きた時間に匹敵するほど長く土にとどまり、栄養分を土にとどめる役目を果たし、その栄養のある土から、別の樹木が根で吸い上げ自らの栄養にする・・森の循環に役立つのです。

最後に・・

いかがでしょう?

私たちが安心して生きていける環境のために樹木が不可欠で、想像を絶する程の長い年月をかけて「地球の生命維持装置」として進化してきたことが分かっていただけたでしょうか。

生命に最適な環境を作るため樹木が作り出した循環システムが「」です。

人間が利己的な理由で森を無くしてしまうことは、生命に最適な環境を自ら無くしている事と同じです。

今一度、森の大切さを考えてみませんか?