私たちは,睡眠時間を含めるとおそらく一日の半分、日によってはそのほとんどを“室内”で過ごします。
職場や自宅においても快適な空気環境で過ごしたいものです。
何かの原因で空気環境が悪くなる時、室内の臭いが嫌な臭いになることが多く、「空気環境の悪化=悪臭空間」と言っても過言ではありません。
嫌な臭いをなくすことは健康にもかかわる問題ですので、ぜひとも無くしたいところですね。
室内が嫌な臭いになったときの解決策として、主に4つの消臭方法が知られています。
詳しく見てみましょう!
目次
嫌な臭いを消す4つの消臭方法
化学反応で臭いを消す方法|化学的中和法
化学的中和法は、下の図のように悪臭成分を消臭成分との化学反応によってにおわない成分に変えてしまう方法です。
この化学反応には“中和反応”と“酸化反応”があります。
抑え込んで消す|物理的消臭法
物理的消臭法は,悪臭成分を吸着成分で物理的に“吸着”したり“包み込む”ことによって臭わなくする方法です。
化学的消臭法が悪臭成分を別な物質に変えてしまうのに対し,物理的消臭は悪臭を発生させないように抑え込んでしまいます。
“吸着”する成分でよく知られているものに『活性炭』があり,これは脱臭剤と呼ばれています。また,“包み込む”ものは,包接消臭と呼ばれています。
芳香成分で消す|感覚的消臭法
感覚的消臭法は,“マスキング消臭”と“ペアリング消臭”の2つの方法があります。
“マスキング消臭”は,香料などのより強い芳香成分によって悪臭を感じなくさせる方法です。もうひとつの“ペアリング消臭”は,悪臭を良い香りの構成成分として取り込む香料を使って,良い香りに変えてしまう方法です。このペアリング消臭は,マスキング消臭に比べて,より優しい香りで消臭効果を発揮することができます。
微生物で消す|生物的消臭法
生物的消臭法は,生ゴミなどのバクテリア(細菌)の繁殖によって発生する悪臭に対し,“殺菌剤”や “抗菌香料”などを使ってバクテリアの繁殖,生育を抑制する方法です。さまざまな悪臭のもとになる成分を“微生物”を使って分解してしまう方法があります。
こうしてみてみると様々な方法で悪臭成分を無害化(無臭化)する方法がありますね。
生活への活用
さて、ではこれらの消臭方法を使って、どのように消臭を行うのでしょうか?
代表的な方法は4つです。
- 市販の消臭剤を使う
- 芳香剤でにおいをごまかす
- 脱臭炭などの吸着効果の高いものを使う
- 植物が持つ天然成分で消臭を行う
①消臭剤による消臭
市販の消臭スプレーや据え置き型の消臭剤を活用した消臭の方法です。
不快なにおいをすぐに軽減することができます。
しかし、においが軽減されただけで、においの原因となる物質が消えた訳ではないということは、注意しておくべき点です。
- においは消えたものの菌は残っている
- アレルギー物質は分解されていない
というように、原因となる物質を消さなければ、身体に悪影響を与える可能性は残っています。
②芳香剤による消臭
「不快なにおいを別のにおいでごまかす」ということが芳香剤による消臭の方法です。
商品によっては、リラックス効果のあるにおいや、心を落ち着かせるにおいなどの効果も期待できるものも販売されています。
しかし、これもにおいの元となる成分が除去されたわけではありません。
また、人によっては芳香剤のにおいが苦手という方もおられるので、店舗や車などに芳香剤を設置する時には注意が必要です。
③においの成分を吸着させることによる消臭
脱臭炭などに代表される、においの原因となっている物質を吸着させ、消臭する方法もあります。
消臭のために使っている物質自体は無臭であるため、不快なにおいを発生させることはありません。
デメリットとしては、置いている範囲でしか効果を発揮しないという点です。広い空間の消臭には向いておらず、効果が行き渡る範囲が限定されてしまうのが難点です。
④植物の成分など天然のものを活用する消臭
植物にも消臭効果があるということはご存知でしょうか?
植物が出している成分の中には除菌や消臭に効果があるものも含まれており、生活空間の空気を綺麗にする効果もあります。
人体に影響を与えることも少なく、新たなにおいを出すこともありません。
難点としては、効果が見えにくいという点と小さな植物ではあまり効果が無いという点です。
まとめ
消臭方法とそれらを活用した消臭法を紹介しました。
どの消臭方法も特徴があるので、これが絶対大丈夫という方法はありませんが、お部屋のにおいに悩む方は何か試してみるのも良いかもしれません。
- 観葉植物を置いてみる
- 不快なにおいの出ない芳香剤を置いてみる
- 消臭スプレーを使う
- においの物質を分解する効果がある空気清浄機を使う
など、まずは気軽にためせる方法から挑戦してみてください。